1. DSCRの計算式
DSCR = NOI ÷ 年間元利返済額(ADS)
NOI(純営業収益)はこちらのガイドを参照。ADS(Annual Debt Service)は元金+利息の年間合計です。
例:NOI 400万円、年間返済額 320万円 → DSCR = 1.25。
2. 金融機関が求める最低ライン
- 都市銀行・地方銀行:1.3 以上(保守的)
- 信用金庫・ノンバンク:1.2 以上
- 属性が強い場合:1.1 程度まで譲歩されるケースも
DSCR 1.0 は「NOIで返済を賄える」ギリギリのラインです。空室や金利上昇でDSCRは 簡単に1.0を割り込むため、最低でも1.2のバッファーが要求されます。
3. DSCRが基準に届かないときの打ち手
- 頭金(自己資金)を増やす:借入額が減り、ADSが下がるためDSCRが改善。
- 融資期間を延ばす:毎年の返済額を圧縮。ただし総利息は増加。
- 金利を下げる:他行相見積りや金利交渉、提携ローンの活用。
- NOI を上げる:家賃適正化・運営費削減・空室解消などのバリューアップ。
- 物件価格を引き下げる:指値交渉。これが最も劇的に効きます。
4. DSCRとキャッシュフローの違い
DSCRが1.2を超えていても、税金・大規模修繕・空室サイクルを織り込むと税引後CFが マイナスになる物件もあります。DSCRは「融資審査を通すための指標」であり、 実際の手残りを見るには税引後キャッシュフローの試算が必要です。