1. 損益通算のしくみ
不動産所得 = 家賃収入 − 運営費 − 支払利息 − 減価償却費 − その他経費 不動産所得が赤字なら、給与所得から差し引いて課税所得が減る => 源泉徴収済みの所得税が還付される
2. サンプル物件(節税向き築古木造)
築28年 木造アパート(法定22年超 → 簡便法で耐用年数4年) 価格 3,000万円 / 建物按分 2,000万円 / 土地 1,000万円 減価償却費 = 2,000 ÷ 4 = 500万円/年(4年間) 家賃収入 280万円 運営費 50万円 / 支払利息 60万円 / 減価償却 500万円 不動産所得 = 280 − 50 − 60 − 500 = -330万円
3. 年収帯別の節税効果(限界税率別)
年収 課税所得目安 限界税率(住民税込) 節税額/年 500万円 195〜330万 20% + 10% 約99万円 800万円 330〜695万 23% + 10% 約109万円 1,200万円 695〜900万 33% + 10% 約142万円 1,500万円 900〜1,800万 43% + 10% 約175万円
年収が高いほど節税効果は大きい。1,200万超なら年100万円超の還付も現実的です。
4. 4年経過後のデッドクロス
減価償却が終わると不動産所得が一気にプラス化し、税負担が急増(デッドクロス)。 4年目までに次の物件で減価償却を積み増すか、売却で対応する設計が必要です。
デッドクロス後の課税所得 家賃280 − 運営50 − 利息45 = +185万円(課税対象) 年収1,200万のケース → 追加税負担 約79万円
5. やってはいけない節税ありき購入
- 節税額 > 物件CFマイナス幅の検算をしない
- 築古でも土地値が極端に低い物件(売却で大損)
- 業者の「節税スキーム」だけを根拠に判断
- 5年後の出口を考えていない(短期譲渡で税率39%)
6. 節税シミュレーションのチェックリスト
- 建物按分は固定資産税評価で客観的根拠が出るか
- 耐用年数残4年以上を確保できる築年か
- 5年超保有で長期譲渡(20.315%)を取れる出口を描けるか
- 節税後の手残り(税引後CF)がプラスを維持できるか
